『卒業文集』

病弱だった私は、小学校の時に遠足に行けたのはほんの数回。

だから6年生での林間学校への参加は、先生も両親もあきらめていたようでした。  

でも私は「絶対(ぜったい)にみんなといっしょに行く」

と決めていました。

そして体を強くしようと考えたのです。早寝早起きをして、

体操をし、ごはんをたくさん食べました。

努力は実りました。  

卒業する時、文集にはまよわずその思い出を書きました。

間近で見た富士山の大きさ、キャンプファイアでのダンス、

友達のふとんにもぐりこんだ夜…。思い描いていた通りの3日間でした。  

ただ、2日目の夜に熱を出したことだけは書きませんでした。

(創作はり絵作家 渡辺順子、絵・題字も)